10年６月議会 　 　沖縄普天間基地の辺野古移設の日米合意が結ばれた直後の市議会となりました。一般質問では、普天間問題を中心に　�@市長として普天間基地の無条件撤去を求めよ　�A矢臼別への普天間訓練の移転について反対せよ　�B砲撃訓練での火災発生や口蹄疫の感染防止のため海兵隊員の外出を自粛するよう求められながら、外出が強行されたことに抗議せよ　と市長に質問しました。

＜一般質問＞ １、不況下での生活支援策 (1)生活福祉資金貸付制度 問　昨年10月の制度改変以降、釧路社会福祉協議会で取り扱っている「生活福祉資金貸付制度」にどんな変化が生まれているのか。 答　貸付条件が緩和されたことで、相談は49→281、貸付は18→71と大幅に増えた。 問　福祉資金のなかに生業を営むための必要な経費の貸し付けがほとんど利用されていないと聞くが、実態はどうか。 答　年間20-30件の相談があるが、ここ10年は貸付はない。経営計画、返済計画、他に借入のないこと、他の貸付を利用できないものという条件に合わず、生活支援費の貸付へ結び付けている。 (2)入学準備金 問　高校入学時の準備金にどのくらいのお金がかかっているのか。低所得者などへの支援策はあるのか。 答　入学金など52,000円、教科書20,000円、運動着18,000円、制服56,000円(女子)で、その他含めて男子130,000円、女子150,000円(市立高校)となっている。母子・寡婦福祉貸付金(21年度26件の利用)、生活福祉資金貸付金、日本学生支援機構の制度、国・民間の教育ローンなどがある。 問　高校の入学準備金に対する助成制度(京都市が行っている)、あるいは奨学金の制度の中に入学準備金に対する貸付制度を加えることはできないか。 答　市の奨学金は高校生向けで新規６件の貸付をしている。準備金の新制度、奨学金の拡充は考えていない。 問　「生活福祉資金貸付制度」の中就学支度費を申し込むと子どもが直接民生院と面談、意見書を書いてもらうことになっている。負担が重いことから、民生委員との面談がなくても借りられるようにできないか。 答　貸付の意思確認やその後の支援のための面談と聞いている。その位置づけを変えられるかどうかは分からないが、社協とは話してみたい。 問　早めの借入申し込みを奨励するために、中学校の進路指導のなかに、高校入学準備金を支援する制度について、周知に努めることはできないか。 答　社協だより、広報くしろなどで周知しつつ、民生委員、ハローワークなどの窓口で紹介している。進路指導の中で、貸付制度の一覧表を配っている。資料の内容は充実させて、周知に努めたい。 問　早期の交付に一層努力するよう関係機関に働きかけていただきたいが、どうか。 答　庁内で連携しながら、社協とも何ができるか協議したい。 (3)高等学校の学校納付金 問　公立高校の授業料の無償化にともない、学校に納付する諸費の減免制度を廃止した例はあるのか。 答　市内では、市立高校と道立２校が授業料減免者にＰＴＡ会費などを減免していたが、個人情報である所得証明、家族状況をＰＴＡが直接調べなければならなくなったため、道立２校は廃止、あるいは新一年生から適用しないとした。 問　これまで、ＰＴＡ会費などの減免をしていた道立高校については、減免を継続するよう道を通して働きかけよ。 答　ＰＴＡなどの団体活動のための費用であり、それを勘案して廃止したもので、働きかけは難しい。

２、医療問題 (1)道立阿寒湖畔診療所 問　8月末以降、医師不在となる阿寒湖畔診療所の医師確保の現状はどうなっているか。万が一、確保できなかったらどうするか。 答　１月より道として様々な取り組みをしているが、現在まで確保できていない。あくまで、８月までに常勤医師が確保されるよう強く要望していく。

３、港湾行政 問　国際バルク戦略港湾の選定基準はなにか。 答　全12項目で、2020年までに対象ユーザーが営業していること、2015年-14ｍ岸壁、2020年-17ｍ整備などが示された。 問　釧路市の計画の概要はどうか。 答　北米に一番近いという地の利を生かしたい。酪農地帯がある。費用は示せない。整備は2020年の10年間と考えている。 問　釧路市としては、地元負担についてどう考えているのか。 答　負担金の圧縮が望ましいが、指定獲得を最優先に取り組みたい。

４、普天間問題 問　市長として、国に対して普天間基地の無条件撤去を求めるべきではないか。 答　今回の日米合意は、安保体制を維持し沖縄の負担軽減をどうするかということで、国の安全保障・防衛政策のからむことで、国の責任で対処すべきもの。 問　矢臼別や道内への訓練移転について、市長は反対すべきでないか。 答　これまでの実弾演習のなかで、演習場の固定化をしない申し入れた敬意もあり、地元の意向が尊重され、地元住民が納得される解決がはかられるべきもの。 問　移転反対が地域の多数の声ではないのか。 答　この問題は国の安全、安保に関わるものだ。沖縄の負担軽減のことも含め、しっかり議論されるべきこと。矢臼別などへの分散移転は正式に示されたものではなく、コメントは控えたい。 問　6月に行われた矢臼別での海兵隊の実弾砲撃訓練について、5回の火災を起こしたこと、口蹄疫の感染防止のために外出をしないよう求められながら、釧路への外出が行われたことをどう考えるか。 答　火事についてはそうならないようにと申し入れをしている。そのことが尊重されるべき。外出はしっかりとしたルールで行われるべきもので、そのような体制をとっていると聞いている。 問　伊東良孝衆議院議員も矢臼別への移転に懸念している。市長として反対を明言せよ。 答　ヘリ訓練だけを見れば来ないほうがいいに決まっているが、安保の是非からスタートすべき議論であり、安保によって日本全国が平和を享受している。実弾砲撃訓練の火災や砲弾の音で地域住民が不安に思っているのは事実。そうした中で沖縄の負担をどうするかが課題と考えている。

＜財政経済常任委員会の審査＞

財政健全化推進室

問　財政健全化について、何年ぐらいの期間で何をするのか、また、財政健全化法の4指標、財政力指数、経常収支比率、起債制限比率、予算編成の歳入不足構造の克服などについて、どう考えているのか。
答　集中改革プランに代わって財政健全化計画を策定、当面は二つの公社の解決を重点に取り組む。都市経営戦略会議の事務局も担う。現状では４基準はクリアしているが、何もせずにいると早期健全化団体になってしまう。将来的には財政の自由度を高くするため、経常収支比率の改善を目指したい。

問　四日市市の土地開発公社の解散にあたって、時価どおりに買い上げる土地、時価と簿価の差、市民負担などに峻別する手法は効果的。とくに市の場合、火発用地、駅西用地に問題があり、行政の責任にも踏み込んで解明すべきでないか。
答　四日市の例は釧路市とは異なる。円滑に三セク債を借り、可能な限り市民負担を減らすようにしたい。火発・駅西ともに価格が大きいが、事業計画が頓挫したときには、単年度では解決できなかったものだ。

問　振興公社のリフレ、六園荘の取り扱いはどう考えているのか。
答　土地以外の部門の整理を優先してリフレについては９月議会で指定管理者を選任したい。指定管理者は公募としたい。六園荘は指定管理者選定の状況を見ながら決める。


総合政策部

●合併後のまちづくりの現況について
問　新市建設計画の進捗状況が示されているが、これでは合併の効果は計れない。合併しないと事業化できなかったものを抜き出さないと、本当の効果は分からない。具体的に何が合併して初めて実施できるようになったのか。
答　合併しないとこの事業はできないと説明してこなかったので、判断は難しい。

問　未実施、中止となった事業は、水産、林業、音別に目立つているが、なぜか。
答　完了・実施中のものが９割になる。未実施のものは、今後実施に向けて検討したい。

問　音別の文化会館、道の駅、駅前整備はどうなるか。
答　具体的な答弁はできない。

●土地区画整理事業
問　補正予算に貸付金返済が6300万円予算化されているが、返済の見込みはどうか。
答　現時点での返済残を計上したもので、返済についてはこれから組合と話し合っていくことになる。

問　市の貸付金は、いつ、いくら返済されているか。
答　09年7月580万円(賦課金と相殺)、8月1000万円、10月550万円(抵当権を設定していた土地の売却)、11月740万円、12月54万円、今年2月580万円(賦課金と相殺)、3月140万円、合計3661万円となっている。

問　貸付金の返済が見込めないことから、担保としている保留地を活用することはできないか。
答　競売にかけると影響が大きいので難しい。現金・有価証券での返済となっているので、物納させることもできない。

問　2回目の総会もいったん成立しながら、理事も選出できずにおわった。市として、更なる支援が必要との認識はないか。
答　総会が流会することは異常なこと。前回はいったん成立しながら、議事の進行が遅れたため流会したもので、迅速な議事の進行に努めるべき。組合員への情報提供は有意義だが、現執行体制の中では、総代会で議決されたことを進めていただく以外にない。

問　阿寒農協との裁判のこともあり、事務局の経費削減に取り組むべきでないか。
答　人件費、事務所費が主な支出になっており、部屋を安いものに変えるなど、今後話をしたい。

●その他
問　ライフケアビレッジ構想は、これからどう進めていくのか。
答　今回は全国的な施策を釧路市をモデルに調査したものだが、できるなら市としても発信していきたい。

問　浜中・鶴居との定住自立圏協定について、北海道横断自動車道など、市民の間で不一致なものは協定に盛り込むべきではないのではないか。
答　地域の共通する要望事項であり、協定に盛り込んでしっかり進めたい。

問　広域市町村圏組合の解散に当っての分配金の計算に誤りがあったとはどういうことか。
答　当初、剰余金は410万円、釧路への配分は238万円と報告していたが、単純な計算ミスで、剰余金1263万円、配分708万円となった。陳謝したい。


産業振興部

●中心市街地活性化活性化
問　北大通再開発で、借地・借家している店子の意見はどう反映されるのか。
答　まだそこまで検討していないが、大切な視点と考える。

問　河畔駐車場を使ってのウェーターフロント活用構想の検討についてどう考えているか。
答　高いテナント入居率が必要など、いくつかの課題が提起されている。それをふまえ、北大通の再開発を最優先に検討することになっている。

問　北大通の再開発を核事業としつつ、それを補完する核事業として市営駐車場でのピロティ形式の建物を検討するというのが話の出発点。単独で核事業とならないなら、白紙にして再検討すべきではないか。
答　核事業となるかどうかは、歩行者の数、売り上げなどで判断することになっており、ある程度の大きさの建物が前提となる。今回は採算性から、これ以上の規模は難しいと判断した。

問　97.5.％のテナント入居率でないと採算割れでは事業化は難しいのではないか。
答　賑わいの創出のためウォーターフロントを活用するというのが趣旨と思っているが、同時に課題もある。これにこたわらず、誇れる資源をどのように賑わい創出につなげるか、検討していきたい。

●農業
問　口蹄疫の侵入防止策について、消石灰散布、靴底の消毒はよいが、もっと効果のある施策は考えられないか。
答　非常に難しい。全国各地で取られている施策が、きちんと全国的に行われることが一番効果的。

問　乳価が４円という大幅引き下げとなった。影響をどう考えるか。
答　農家の収入は230-240万円減収となり、大きなもダメージとなる。ＪＡとも協議しており、国・道の施策に期待している。

問　適正な種苗の確保・流通、食の安全を考えて種苗法がつくられていが、ホームセンターなどで適正な表示がされていないのではないか。
答　種については袋に必要事項が印刷されている。苗はポスターなどを掲示することになっている。道・国が監督官庁となっている。

●雇用
問　緊急人材育成支援事業・基金訓練は、釧路での開設は極端に少なく感じていた中で、民間事業者としては介護資格取得の基金訓練が始めて実施されることになった。状況はどうか。
答　ハローワークの所管であり、個別の事業についてはわからない。積極的な活用を期待したい。

問　地域職業訓練センターの譲渡について、取り壊し費用が建物の評価額を越えた場合には譲渡先の自治体に無償譲渡するとの厚労省の考えが示されたが、肝心の国の責任での職業訓練機能の維持はしないということ。これでは受け入れられないと思うがどうか。
答　国の責任で機能を維持してほしいと考えている。道と地域職業訓練センターのある道内４市とも一致した方向であり、道が前面に立って要望していくことにしている。

問　ポリテクセンターの廃止に関わって、枝野前大臣は「地方が受け取らないなら廃止の方向に条文を変えろと厚労省に私から要請し、その方向になると聞いている」と発言した。移管が実現しないセンターは廃止するとの可能性は、どうか。
答　具体的な情報を得ていない。引き続き、国に存続を要望していく。

問　重点分野雇用創造事業が6月補正で4事業　32人の雇用となった。成長分野として、農業と林業、水産業が期待されているが、なかなか事業化できていないのはなぜか。
答　これまでも庁内各部・各課とも連携してきたが、今後追加募集があれば、引き続き相談していきたい。

問　ぜひ農林課としても、重点雇用分野については積極的な提案をしていくべきではないのか。
答　音別の森林組合が窓口となって間伐などを緊急雇用として取り組んだが、未経験者の事故の心配もあり監督員を置く、急な斜面はできないなど、課題もあった。商業労政課とも情報交換をしていきたい。

●美原公設市場の廃止について
問　小売店・食品スーパーというのが地域の要望であり、おそらく、市から購入する業者はそうした業者になると思うが、それ以降の心配がある。現状の都市計画や、学校が近いことで風営法上の規制もあると思うが、どんなものは出店できないのか
答　商業施設を集積する地域とされており、市民の利便施設は建設できるが、風営法上の規制もあり、パチンコ店、風俗店などは出店できない。

問　長く住民に利用いただけるお店の出店が、結果として食料品店継続につながるとの本会議の答弁だったが、少なくとも5-10年は、そういう形態が維持されるような仕組みは考えられないのか
答　どんな手法ができるか、住民説明会等で売却条件などを示したい。住民とは今後も協議していきたい。

問　駐車場の管理形態として、どんなことを想定しているのか。
答　商店街と公設の組合が連合会を作って管理していたので、今後は応札した業者も含めて管理できないか考えている。

●その他
問　アイヌシアターについて、管の敷設替の補正予算が提案されたが、当初予算で提案されなかったのはなぜか。
答　２月議会の時点では最終的な建設場所が確定していなかったため。

問　台湾便のチャーター便が夏場無くなると聞いているが、観光への影響はどうか。
答　７−８月運休となる。９月からは再開される。

問　緊急雇用でサンライフの壊れている運動器具が使えるようになると聞いたがどうか。
答　中高年の健康づくりのため、壊れている器具に代えてスポーツマシンをリースで入れる。


＜石炭対策特別委員会の審査＞
問　産炭国高度化事業の予算要望について、来年度の予算獲得にとどまらず、24年度以降の事業継続も働きかけるべきではないか。
答　まず来年度の予算獲得が大事。タイミングを逃さず、要請していきたい。

問　他の研修国の拡大の可能性や情報はどうか。
答　研修国の拡大は大切な課題なので、関係機関と情報交換を進めていく。

問　新基金について、現状の申請時期では施設工事が年度内に終わらない場合や町村では利用しずらいとの声もあるが、改善された点はあるのか。
答　申請時期について検討していきたい。新基金の用件について、センター・道で検討している。

問　博物館を中心に石炭関連でさまざまな事業を行っており、社会教育としても一定の成果を挙げていると思うが、どうか。
答　今後、石炭セミナーの開催を予定、博物館と連携したパネル展などを行う予定。