19年度企業会計決算審査特別委員会
今年から、決算については９月議会中に審査することになり、村上は企業会計の審査に参加しました。書類審査も含め、主な質問を紹介します。
＜病院事業会計＞
問 健全化計画と比べ、１９年度はどうだったか。
答 医業収入は4.3%減だったが、看護師体制を７対１にしたり、６床室を４床化したりして新たな加算を受けたので、損益については予定を上回ることができた。
問 院外処方はあくまでも希望者のみとし、基本は院内での処方とするのか。
答 １２月から希望者のみ院外処方にする。
問 診療科別の患者増の取り組みはどうか。
答 各科の医師と面談し、患者数・収益などの目標を出してもらった。
問 阿寒病院の19年度の病床稼働率は70.3%だった。特に低い、医療保険対応の療養病床の稼働率を上げるべき。
答 療養病床３床を一般病床に転換して、稼働率を高めたい。
問 阿寒病院の将来像をどうするか。
答 地域の強い要望もあるので、病院の機能は残したい。
問 病院への一般会計からの繰出金が基準額を下回っている。増額すべき。
答 基準額は総務省が示したものだが、詳細な計算式は市が決めたもの。全体では基準額を超える繰入をしている。
問 来年度から入院が包括払いとなるが経営への影響はどうなるか。
答 調整されるが少し減収になる見込み。急性期の病院は全体して包括払いに移行していくことになる。患者の負担増はない。
問 病院給食の安全性をどう担保しているか。
答 委託業者は、一切加工品は使っていない。仕入れも、従前から病院が使っていた業者を継続して使っている。市としては、伝票のチェック、献立チェック、験食などをしている。
問 安全な食材確保のため、仕入れは市が直接行えないか。
答 委託業者が仕入れもしっかりやっている。
＜上下水道事業会計＞
問 音別地区のみ有収率が極端に低いのはなぜか。
答 尺別岐線地区は戸数が少なく、使用量が少ないが管の延長が長く、そのままでは水質を維持できない。塩素の働きを維持するため、水を出しっぱなしにしており、年間１００万円ほど損失している。
問 停水はどうなっているか。
答 19年度は1621件に停水予告をし、272件を停水した。滞納理由は居所不明751件、生活困窮2091件、死亡82件、倒産348件、転出480件となっている。多重債務のパンフを収納員が持ち歩き、必要な場合は消費生活相談センターなどを紹介している。
問 下水道財政健全化計画に照らして、１９年度決算はどうだったか。
答 料金収入は下回ったが、他会計負担金も含めてその他の収入は増えた。経費節減にも取り組み、結果として当年利益は計画を26.2%上回った。
問 阿寒・阿寒湖の終末処理場の運転委託は、合併前は入札だったのに、合併を期に随意契約に変わった。入札にすべき。
答 阿寒については普及につれて施設の増強が見込まれる。阿寒湖は耐震診断が必要となっている。これらのことを見すえ、古川などの包括民間委託制度を検証した上で、入札について検討したい。
問 釧路の下水道料金は高いのではないか。
答 全道市のなかで５位。最優先すべきは不良債務の解消でしかたない。しかし、２度値上げを見送っている。できるだけ現状を維持したい。
＜公設地方卸売市場会計＞
問 野菜・果実の11.4%が外国産となっているが、食の安全から見てどうか。
答 外国産の多くは果実である。最新の衛生管理につとめ、食の安全についても最新の情報を収集していきたい。地産地消を大切にし、ホームページなどで市場を通ったものの安全性を宣伝することなど検討したい。
問 中央市場から地方市場に転換した利点はどう生かされているか。
答 釧路管内以外での取引が容易になり、伝票のみで現物を介さなくても取引できるなどの利点が生まれた。コープさっぽろと業務提携した配送センターを設置し、取引の拡大が見込まれるなど効果が出ている。
問 施設の耐震化・老朽対策はどう考えているか。
答 ３年ほどかけてシャッターの更新をしたい。耐震診断が必要な施設だが、スケジュールをたてるのはこれから。
＜市設魚揚場会計＞
問 財政改善資金計画を立てて取り組んでいるが、１９年度の決算で見ると効果はどうか。
答 使用料の値上げで使用料収益は9.8%上回った。経費は計画を下回る支出におさえ、一般会計からの支援もあり、計画を上回る成果だった。
問 施設の耐震化、リニューアルをどう考えているか。その際の資金はどうなるのか。
答 いま、副港のあり方を考えるグランドデザインを考えているところだ。第一魚揚場は27年度までには耐震化、あるいは撤去しなければならない。仮に耐震補強、リニューアルをすることになれば、企業債は認められないことになるので、企業会計を廃止して一般会計と一体化して資金を確保するのが、一般的にはノーマルな手法といえる。
＜港湾整備事業会計＞
問 西港の売却予定地について、第１、第２埠頭については売れ残りの土地もある。金額の値下げも含めて検討すべきではないか。
答 それほど大きな土地は残っていない。企業会計からいって、値下げしてまで売った方がよいのか検討したい。
問 貸付用地の管理はどうなっているか。年一回程度はきちんと現況をチェックすべき。
答 年一回申請されるので、そのときにきちんと管理したい。
問 土地貸付使用料が長年にわたって滞納されているケースがある。どうするのか。
答 多くは倒産・居所不明となったものだ。５年の時効が民法上行使できない。会計処理上、何ができるか検討したい。
問 オープンヤードの貸付面積が減っているのはなぜか。
答 中央埠頭で使っていなかった用地が返還されたものと、西港第３埠頭のガントリークレーン設置にともないコンテナヤード整備のために返還されたものがあった。
問 貸付使用料について、原木保管場所のみ単価が2/5に軽減されているのはなぜか。
答 北洋材の保管に使っているところだ。他港との競争のために軽減してもらいたいとの要請を受け、南洋材で使っている貯木場の使用料と差が出ないように軽減した。