23年9月議会での経済建設常任委員会の審査
今議会で最も力を入れたのは、昨今の物価高から市民生活を守ることです。
１、昨年度に続いて上下水道料金減免を
昨年度、釧路市は水道料金の４か月分、下水道料金の２か月分の基本料金を免除しました。国の新型コロナ対応地方創生臨時交付金を使った物価高騰対策です。同様の施策は２年度にも行なわれました。全額、国の補助金頼みでしたが、すべての市民・事業者の暮らしと営業を下支えしました。
国の補助金がない中でも、市には自由に使える基金がたまっています。これを源資に、上下水道料金の減免をするよう、市長に求めました。しかし、市は「物価対策は国が行うべきもの。独立採算性の上下水道で減免を行なえば不公平が発生する」と、今年度の上下水道料金の市独自の減免はやらないと答弁しました。
２、オール電化市営住宅の電気代補助
電気代の高騰は本当に大変です。国が支援していることになってはいますが、それにしても高過ぎます。低所得者が多く住む市営住宅のなかにもオール電化の住宅があります。「家賃より電気代が高い」との悲鳴がでています。
「せめてオール電化の市営住宅に住む世帯にだけでも、電気代の補助ができないか。なかには、住んでいた住宅の建て替え工事のため、オール電化の市営住宅に住み替えせざるをえない入居者もいるのだから」と求めましたが、やっぱりこれもやらない。物価対策は国がすべきものの一点張りです。
３、草刈りも除雪もままならない市営住宅
春採の市営住宅の望洋団地で、ひどいところがあるので見てほしいとの声をいただき、現地を調査しました。
場所は望洋団地のはまなす１号棟。戸数も少なくエレベーターもありません。空き家もかなりありそうです。
まず驚いたのが雑草が伸び放題なこと。シカが群れで雑草を食んでいたこと。草丈に隠れ、道路から玄関が見えませんでした。見るに見かねた近所の方が、機械で草刈りをしてくれたそうですが、それすら雑草に隠れてわかりません。
草刈りは、入居者が自治会費で対応することになっていますが、空き家が増えて自治会費が集まらない、入居者も高齢化で自助努力ではどうにもならないとのお話しでした。
空き家が増えたら、市は廊下やエレベーターの電気代分の共益費は支援していますが、草刈りや除雪費用は支援していません。
市が補助金を増額すること、高齢化に見合った親身なサポートが必要になっています。
４、音別、大楽毛人道こ線橋の早期の架け替えを
音別駅と大楽毛駅の人道こ線橋が老朽化しています。音別についてはすでに新しい橋に架け替えることが決まっていますが、まだ本格的な工事にかかれずにいます。早く工事に入るよう要求しました。
大楽毛のこ線橋も昭和53年供用開始ですからそろそろ架け替えるべき時期に入りつつあります。当面の維持管理をしっかり行い、修繕すべきところはしっかり直すこと。あわせて、早急に架け替えの計画を持つよう求めました。
５、赤いベレーの一般客の宿泊機能を残して
なかなか収益が伸びず、施設も古くなってきた阿寒町の赤いベレー。施設の今後の方向性を市役所内部で検討しています。
「赤いベレー」は阿寒本町地区にあるたった一つの宿泊施設です。また日帰り入浴として、多くの地元町民に親しまれている温泉です。宿泊を含めて、なくてはならない施設です。
Ｒ２年度に、コンサルタントに委託して、今後の施設の在り方を検討してもらい、翌年に報告書が出されました。
宿泊機能を残すか、残すならどういう形にするか。いま、スポーツ合宿を中心に、団体宿泊施設として、存続させる考えも出されています。
赤いベレーの強み
温泉で、三食付、送迎バスもある「赤いベレー」の強みを生かすことができます。大学サッカー部の合宿が赤いベレーに逗留しています。 スポーツ合宿を大いに受け入れることは賛成です。施設の古さもありますから、高い料金での宿泊には限界もあります。
一般個人客の宿泊も
しかし、合宿オンリーでは困ります。阿寒本町には宿泊施設がありませんから。観光はもちろんですが、遠方から冠婚葬祭などで訪ねてこられたお客様に泊まっていただくこともあるからです。
観光と旅行は国民の権利
ともすると市の観光施策はアドベンチャーツーリズムだ、インバウンドだと言って、外国人など富裕層の集客にばかり目が行きがちです。
しかし、ヨーロッパなどでは「ソーシャル・ツーリズム」と言って、所得の低い層も含めて、国民には誰でも「観光と旅行を楽しむ権利」がある、費用をあまりかけず誰もが観光を楽しめるようにする責任が行政にはあるという考えが広がっています。
日本の観光消費は４割の人が８割を占め、貧困の広がりもあり、一泊旅行もほとんどできないという国民がかなりいます。
年に一度くらいは地元の人がゆっくり温泉旅館にも泊まれる。赤いベレーはそうした施設としても必要です。